雨樋の素材について|種類やメリットデメリット・選び方ポイント
大切な住まいを雨漏りから守るのに欠かせない「雨樋」ですが、使われている素材にも種類があるのをご存じでしょうか?
今回は、あまり知られていない雨樋の素材について、詳しく解説します。
雨樋の主な素材は3種類
雨樋に使われる、主な素材は次の3種類です。
- 塩化ビニル樹脂
- ガルバリウム鋼板
- 銅
この他にステンレスやアルミを使った雨樋もありますが、流通量が少なく、一般的な住宅ではほぼ使われていません。
そのため、今回は身近な3種類の素材に絞って解説していきます。
コストに優れた塩化ビニル樹脂
塩化ビニル樹脂の特徴は、軽くて持ち運びがしやすいこと。組み立てやすく取り付けもしやすいので、一般的な住宅の雨樋で多く使用される素材です。
形や色のラインナップが豊富な上に広く普及しているので、コストを抑えやすいといったメリットがあります。
一方で他の素材と比べて耐久性が低く、紫外線や風雨の影響、さらに雪などの重みで劣化や変形がしやすいです。そのため台風や降雪が少ない、比較的気候の安定したエリアでの使用が適しています。
性能バランスがいいガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板はアメリカで開発された素材で、鋼板にアルミニウム・亜鉛・シリコンの合金をメッキした金属素材のこと。
日本では1982年に製品化された、比較的新しい素材です。
ガルバリウム鋼板には、「耐用年数が長い」・「さびにくい」といった特徴があり、住宅の屋根材や壁材としても広く使われています。
屋根や壁にガルバリウム鋼板を使った住宅では、見た目を統一するために雨樋にもガルバリウム鋼板を使うケースが多いです。
耐久性の高さは魅力的ですが、塩化ビニル樹脂よりも単価が高く、コストがかかる点に注意してください。
美しくデザイン性◎の銅
銅は神社仏閣によく使われている素材です。ただし現在の住宅ではほとんど見かけません。
新築間もない頃は輝く赤銅色ですが、経年変化によって「緑青(ろくしょう)」という青緑色のサビが発生し、独特な風情ある見た目に変化します。
耐久性の高さと軽さを備え、見た目の美しさでも優れていますが、他の素材よりも価格が高いのが難点です。
雨樋の素材を一覧で比較
雨樋に使われる素材を、価格・耐久性・デザイン性・施工のしやすさから比較してみましょう。
素材 | 価格 | 耐久性 | デザイン | 施工のしやすさ |
塩化ビニル樹脂 | ◎ | ◯ | ◎ | ◎ |
ガルバリウム鋼板 | △ | ◎ | 〇 | △ |
銅 | × | △ | ◎ | × |
塩化ビニル樹脂は価格面で優れていますが、ガルバリウム鋼板や銅よりも耐久性が低いため、10~15年前後でメンテナンスや交換が必要です。
一方、ガルバリウム鋼板は耐久性に優れ、特に最近はガルバリウム鋼板がよく採用されています。ただし両方とも、塩化ビニル樹脂に比べると価格がやや高め。コスト重視のケースでは塩化ビニル樹脂も選ばれています。
雨樋の素材を選ぶときのポイント
雨樋の素材を選ぶときは、以下の2つのポイントに注意しましょう。
修理のしやすさ
素材にもよりますが、一般的な雨樋は10~15年に一度のペースで、メンテナンスが必要です。
雨樋は見上げただけでは様子がわかりにくく、一見損傷がないように見えても、土や落ち葉が溜まっている可能性もあります。
雨漏りのリスクが高まるため、定期的なメンテナンスで汚れを取り除きましょう。
なお、銅やガルバリウム鋼板の雨樋は塩化ビニル製よりも施工が難しく、修理業者によっては上手く取り扱いができません。
雨樋を選ぶときは、メンテナンスや修理のしやすさだけでなく、技術力の高い施工業者に依頼するのも大切です。
デザインと性能のバランス
雨樋は、雨漏りを防ぐための大切な設備です。
デザインの好みだけでなく、機能面でもしっかりと選びましょう。
たとえば降水量の多い地域では、水が溢れにくい角型を。雨樋は素材だけでなく、地域の気候にあった形を選ぶのも大切です。
雨樋の修理や交換は佐藤建築板金にご相談ください
雨樋は、素材選びだけでなく施工方法も重要です。素材が良くても、適切な施工方法が伴わなければ効果を十分に発揮できず、すぐに劣化してしまいます。
特に受け金具の取り付けが重要で、適切に施工されていないとすぐに緩んだり劣化したりします。例えば、釘で留めると緩むことがありますが、ビスを使うことでより安定した取り付けが可能です。ただしビスも適切な長さのビスを使用することが必要です。
「雨樋の工事はどの業者も同じ」ではありません。適切な施工を行ってくれる業者をしっかりと選びましょう。
雨樋は普段意識することの少ない部分ですが、屋根からの排水を促し雨漏りから住まいを守る大切な部分です。
そろそろ雨樋のメンテナンス時期で、素材の耐久性が気になる方は、ぜひお気軽に佐藤建築板金にご相談ください。